親子三代続く、鹿児島で唯一の本格的な七宝工房
マルチな才能を持っていた創立者の本村宗睦、夫を支えた妻の幸子
高い工芸理念を掲げた活動と制作は、熱い支持者を持ちながらも
経済重視の社会では苦難の道となりました。
娘の睦美と孫の妙は、工芸美術にかける思いを引き継ぎ
今を生きる人々の心が豊かになる活動に力を注いでいます。
本村工芸美術研究所
メンバープロフィール
久冨木原 妙 (くふきはら たえ)
1985年 | 久冨木原秀伸、睦美の間に生まれる。神奈川県伊勢原市出身 |
---|---|
2000年 | 伊勢原市立山王中学校卒業 |
2003年 | 神奈川県立小田原高校卒業 |
2003年 3月 | 祖父本村宗睦から七宝を学ぼうと来鹿するも、宗睦が他界する。 |
4月 | 鹿児島大学理学部生命化学科入学 祖母の幸子や祖父の弟子たちから、七宝、金属加工を学び始める。 |
2007年 | 鹿児島相互信用金庫入庫 |
2010年 | 鹿児島相互信用金庫退庫 本村工芸美術研究所を、母の睦美と共に引き継ぐ。 額絵制作の傍ら、より生活に身近なジュエリーの制作を始める。 |
2015年 | 名古屋市の首藤治氏(2015年黄綬褒章受章)のジュエリースクールシュドウにて ジュエリー彫金の勉強を開始する。 |
2016年 | 七宝・彫金アクセサリーのオリジナルブランド Tae K. を立ち上げる。 |
2017年 | 台湾のジュエリー雑誌「球寶世界 Jewelry World」に掲載される。 |
2018~19年 | ギャラリービーンズ花月にて「Tae K. Jewelry展」2年連続個展開催 |
2021年 6月 | ギャラリー白樺にて「Tae K. 髙市節雄二人展」 |
11月 | Art salon ビーンズにて「Tae K. Jewelry展」 |
公募展
歴
2011年 7月 | 第20回MBCハンドクラフト展 彫金額「ぶどう」、七宝額「雨に煙る」入選 |
---|---|
2013年 5月 | 第60周年県美展 水墨画風七宝額絵「沖いるが如く」入選 |
7月 | 第45回日本七宝作家協会展 七宝額絵「生命の泉 エンデに寄せて」入選 |
2014年 5月 | 第46回日本七宝作家協会展 七宝額絵20号「沙羅 舞」入選 第61回県美展 七宝額絵20号「沙羅 遊泳」入選 |
10月 | 第27回MBCサムホール美術展に七宝額絵「光る君」入選 |
久冨木原 睦美 (くふきはら むつみ)
1952年 | 本村宗睦と幸子の間に第1子として生まれる。 |
---|---|
1970年 | 鹿児島県立鶴丸高校卒業 |
1970~1976年 | お茶の水女子大学および大学院にて柳宗玄(民芸運動の創始者、柳宗悦の次男)に師事、美術史および工芸美学を学ぶ。 |
1976~1981年 | 私立高校にて英語・公民の教師として勤める。 アメリカの七宝技法書“ Meatl Enameling” を翻訳中、日本の七宝との違いに気づき、七宝への興味を深める。 |
1985年 | 妙を出産。子育てのかたわら、翻訳の仕事をする。 |
2003年 | 鹿児島へ帰郷。宗睦の急死を受けて、母幸子の七宝講座の助手を務める。 |
2010年~ | 娘の妙とともに本村工芸美術研究所を引き継ぐ。 以後、各地公民館や女性学級で七宝の普及活動に取り組む。 七宝・彫金展をほぼ毎年開催、新しい七宝・彫金の世界を模索している。 |
本村 宗睦 (もとむら むねむつ)
1926年 | テーラーの本村軍吉とフデの間に次男として生まれる。 鹿児島市易居町 |
---|---|
1938年 | 父軍吉の死により進学かなわず、 鹿児島市立工芸研究所伝習生となる。 竹工を重久篤雄に、木彫を木佐貫茂に師事する。 夜間の実科中学に入学 |
1940年 | 鹿児島市立工芸研究所研究員となり、デザイン、染色を始め多方面で研鑽を積む。 |
1948年 | 鹿児島県工業試験場(現鹿児島工業技術センター)の工芸部技師となる。 |
1953年 | 本村工藝を創立。生業の工芸の傍ら彫刻を始める。 |
1954年 | 南日本美術展に初出品し、入選。以後5回連続入選(うち2回入賞) |
1956年 | 南日本美術展「憩い」奨励賞 |
1958年 | 「本村工芸教室」開業 |
1960年 | 南日本美術展「黙塊集」教育委員会賞受賞 |
1961年 | 竹工芸の土産物製造を開始、傍らで七宝の研究を始める。 |
1967年 | 七宝教室を開室、美術教師への指導を始める。 |
1975年 | 鹿児島七宝会を結成。事務局長として七宝の普及活動と指導に力を注ぐ。 |
1976年 | 鹿児島三越にて「発足1周年記念 鹿児島七宝綜合展」を開催 |
1977年 | 南日本新聞社にて「第2回鹿児島七宝展」を開催 |
1980年 | フランス・リモージュ世界ビエンナーレ展にて「屋久島の陽光」入選 パリ日本七宝作家秀作展に選抜される。 |
1981年 | 山形屋にて「本村工芸美術研究所展」開催 木耳社(東京千代田区)より、七宝の本格的な技法書の執筆を依頼され、「七宝事典」の執筆に取り掛かる。 |
1988年 | 約8年をかけて完成させた「七宝事典」を木耳社より出版 |
1989年 | 「七宝事典」で南日本出版文化賞受賞 山形屋にて、個展開催 |
1990年 | 鶴屋百貨店にて、個展開催 |
1991年 | 鹿児島県立図書館にて「創る歓び 『素晴らしい人生の糧』」を 講演する。 「著名人が語る<学びのヒント>」(リブリオ出版)第4巻に講演内容が収録される。 |
1992年以降 | 後進の育成に努めながら、立体的な七宝制作の技法書の執筆にとりかかる。 |
2003年3月7日 | 生徒の「二人展」開催の前夜に急逝 |
本村 幸子 (もとむら さちこ)
1927年 | 陶器店主、小柳好の第4子として生まれる。 |
---|---|
1949年 | 大妻女子大学卒業 |
1950年 | 本村宗睦と結婚 |
1980年~ | 鹿児島市勤労女性センター、青少年ホームなどで七宝講座を担当 稀代の偏屈工芸家、本村宗睦を支え、生涯、七宝の普及に務める。 |
2019年12月13日 | 逝去 |
本村工芸美術研究所の個性豊かな看板猫たち
なぎたん (気まぐれ接客係)
2019年生まれ、女の子。元野良猫。
妙が一目惚れして、連れ帰る。
妙が制作中のときは、夜中まで隣で付き合う。
用心深いため、接客は基本的に苦手だが、お腹がすいているときや気が向いたときは、アトリエへ出勤する。
まろたん (接客係チーフ)
2019年生まれ、男の子。鹿児島の有名スポット、レトロフト出身。
前飼い主が急死されたため、本村工芸へ。人なつっこく、穏やかで好奇心旺盛。
何にでも、首を突っ込む。お昼寝時以外は、本村工芸へ出勤していることが多くお客様のおもてなし係として活躍中。
びびたん (睦美と妙の世話係)
2002年生まれ、ロシアンブルーの女の子。2020年2月2日18歳で逝去。
とても頭がよくて、忠誠心が強く、愛情豊か。睦美と妙を生涯支える。
甘えん坊な反面、気難しいため接客は苦手、本村工芸に出勤するのは年に2~3回のレアキャラだった。
なぎたんとまろたんの日常をご覧になりたい方はこちら>>>Instagram: アトリエ猫 なぎまろ @nagitan_taek